食物連鎖の王者たち
地球の上で生きている動物たちは他の生き物を食べたり、反対に食べられたりする関係をもっています。このような関係は食物連鎖とも呼ばれお互いの生物の生息数や行動に影響を与えています。
食物連鎖のつながりのなかでほとんどの動物は他の動物から狙われる危険があります。しかし動物のなかで他の動物からほとんど食べられる心配のない動物たちがいます。
頂点捕食者またはエイペックスプレデターと呼ぶこれらの動物としてはライオンやワニ、ハイエナ、鳥の仲間だとワシやフクロウ、海の動物だとホオジロザメやシャチなどが頂点捕食者だと考えられます。
ふつう食物連鎖の上位にいる生き物は下位にいる生き物より生息数が少ない傾向があります。
みんなで集まって守る
イワシやアジなどの海岸から離れたところに住む小さな魚は大きな体をもつ動物から攻撃を受けることがあります。海岸から離れたところにはサンゴ礁や岩場のような隠れる場所が少ないために小さな魚が攻撃を受けると逃げ場がありません。そんな時に小さな魚が特殊な行動をとることがあります。
ベイトボールと呼ばれる小さな魚たちがとる行動はおおきな動物からの攻撃に対抗するために魚の群れが球の形にかたまることです。ベイトボールをつくることで魚たちは自分が狙われる可能性を低くしていると考えられています。
大きなものではベイトボールは直径が20メートルになるものもありますがほとんどは数分でなくなってしまいます。
水中で生きる動物の呼吸
動物が水のなかで呼吸することは陸の上とはいろいろな違いがあります。水のなかは陸上と比べて酸素が少ないためにより効率的に酸素を取り入れる必要があります。
多くのさかなはエラを使って周りの水のなかから酸素を取り出すことができます。しかしハイギョという魚は子供のときには他の魚と同じようにエラ呼吸をしますが、成長すると肺が発達して肺呼吸をするようになります。
キノボリウオという魚はラビリンス器官と呼ばれる複雑なつくりを持つ呼吸器官を使って陸の上でも空気中から酸素を得ることができます。
半肉食の動物
キツネやテンなどは肉食でもあり植物も食べる雑食性の動物です。食べ物の6割ほどが動物などの肉でその他が植物の実や種、きのこなどを食べます。このような動物をメソカーニボアと呼びます。
これらの動物たちは肉を食べるのにも植物を食べるのにも適した歯の並びをもっていて肉を噛み切るための鋭い犬歯と植物をすりつぶす臼歯の両方が発達しています。
歯が切歯や犬歯、小臼歯、大臼歯などをもっていることを異歯性(いしせい)と呼びメソカーニボアの歯並びも異歯性です。
半肉食の動物は哺乳類のなかでも多様に進化した一群で生態系のなかで重要な役割をもっていると考えられています。
鱗(うろこ)を食べる魚
動物たちは栄養を得るためにじつにさまざまなものを食べます。魚の一部には他の魚の鱗を食べて栄養をとっているものたちがいます。
鱗を食べる行動は異なる種の魚の間でみられるのでそれぞれ独自に獲得してきた行動だと考えられています。
鱗を食べる魚の歯は鋭く他の魚の側面に回り込んで鱗をかじり取ります。鱗には栄養が多く含まれていて魚たちは効率的に栄養をとることができます。
コトヒキやシクリッドなどの魚が他の魚の鱗を食べる魚として知られています。シクリッドは他の魚の左右どちらか決まった側の鱗しか食べないために口が左右どちらかに曲がってしまっているものもいます。