獲物をガブリ

動物がほかの生物から栄養をとることをフィーディングと呼びます。人間の目で見えるくらいの大きさの動物たちはほかの生物の体の一部を食べたり、体ごと丸呑みすることで栄養をとります。これをバルクフィーディングといいます。

 

他の動物の肉を食べる肉食動物や植物を食べる草食動物、さまざまなものから栄養をとる雑食動物がバルクフィーディングを行います。

 

人間もさまざまな食べ物の一部やその全体をたべるのでバルクフィーディングを行う動物に含まれます。

食事は飲むだけの動物

チョウやカのように栄養を何らかの流体からとるものをフルーイドフィーダーと呼びます。

栄養を流体のかたちでとることは多くの動物で見られる行動でそれらの動物は他の生物の体のなかに流れる液体を吸い込んで生きています。

 

チスイコウモリやカ、ダニなどは他の動物の血液から栄養をとっています。これらの動物はしばしば感染症などを広げる原因にもなります。

 

チョウやハチドリは植物の樹液やミツなどを栄養源にしているのでフルーイドフィーダーといえます。

 

フルーイドフィーダーは感染症を広げたりすることがある一方で植物の花粉などを運ぶ役割もあるため生態系の維持にとって重要です。

食べ物と動物のかたち

動物がどんなものを好んで食べているかということはその動物の進化に大きな影響を与えることがあります。動物の体のかたちはその動物が食べているものに合わせて変化してきたと考えられます。

 

ちいさなプランクトンなどを食べるのに適したクジラの歯や他の動物の肉を食べるライオンの歯なども食べものに合わして歯のかたちが変化してきた結果です。

 

鳥のくちばしや獲物を狩る動物の爪などにも食べ物に合わしたかたちが見られます。草食動物は植物の葉っぱをすりつぶすのに適した歯や消化しやすいつくりをもつ胃や腸を獲得してきました。

スペシャリストな動物たち

自分が住んでいる環境のなかにあるさまざまなものを栄養源にして生きている動物をジェネラリスト種と呼びます。それとは反対に特定の場所に住み特定の食べ物からしか栄養をとらない動物をスペシャリスト種と呼びます。

 

コアラはオーストラリアの温かい気候に住んでいて、おもにユーカリという植物の葉を食べているのでスペシャリスト種と考えられます。北米大陸に住むタイガーサラマンダーは

一年を通して湿度の高い気候でしか生きていていけないのでスペシャリスト種とされます。

 

スペシャリスト種はさまざま場所でも生きていけるジェネラリスト種に比べて環境の変化に弱いと考えられますが条件さえ整っていればジェネラリスト種以上に増えることもあります。

どこでも生きていける

動物のなかには自分の生きている環境にあるさまざまなものを食べている動物がいます。そのような動物は異なる環境でも食べ物を見つけることができるのでジェネラリスト種と呼びます。

 

ジェネラリスト種の動物は環境のなかにあるさまざまなものを栄養源にできるので、ある特定の食べ物が減ってしまってもそれ以外のものから栄養をとることができます。

 

アライグマは代表的なジェネラリスト種の動物で小さな哺乳類や昆虫、植物まで食べます。都会に住むアライグマは人間の出したゴミなどからも栄養をとっています。

 

ジェネラリスト種の動物は特定の食べ物しか食べない種よりも環境の変化に対応しやすいと考えられています。

肉は少なめな動物たち

肉を食べる動物はその食事全体に占める肉の割合から3つに分類されることがあります。食事全体に占める肉の割合が7割以上のものをハイパーカーボニア、6割から4割くらいのものをメソカーボニア、そして3割以下のものをハイポカーボニアと呼びます。

               

ハイポカーボニアの動物の食事はおもに植物の実や葉っぱ、キノコなどでそれ以外にわずかに動物の肉を食べます。

 

ハイポカーボニアとされる動物は北米大陸に生息するブラックベアや東南アジアに生息するビントロングなどです。

 

ヒトも食事の構成によってはハイポカーボニアに含まれることがあります。

超肉食な動物

他の動物の肉を食べて生きている動物たちのなかで7割以上の食べ物が肉食であるものをハイパーカーボニアと呼びます。

 

ライオンやフクロウ、ヘビやワシなどがハイパーカーボニアに当たる動物です。海のなかで生きる動物ではイルカやサメ、タコなどが含まれます。

 

化石の記録からはある時代のハイパーカーボニアが進化するときは、その前の時代に支配的な地位をもっていたハイパーカーボニアの数が減っていることが知られています。