ヘビだって食べられる

多くの動物の恐ろしい捕食者としてのイメージがあるヘビも、ある動物たちにとっては狙うべき獲物になります。ヘビをおもな栄養源にしている動物やその行動をオフィオファジーと呼びます。

 

スカンクやマングースはヘビを食べる代表的な動物で昆虫や果実などと共にヘビも襲って食べることがあります。

 

ヘビクイワシというアフリカに住む鳥はヘビを見つけると空から襲いかかり足で踏みつけて弱ったところを食べてしまいます。

 

キングコブラはヘビの仲間でありながらヘビを食べることもある動物でその名前もこうした行動から付けられました。

 

多くのヘビを食べる動物にはヘビの毒に対抗する仕組みが備わっていると考えられています。

角質から栄養をとる

動物のからだの毛や爪に含まれているケラチンというタンパク質を栄養源にしている動物たちがいます。そういった動物をケラトファジーと呼びます。

              

衣類の虫食いの原因となるカツオブシムシという昆虫はウールなどの繊維に含まれているケラチンを食べることで栄養をとっています。またこの虫は動物の標本の皮膚などを食べて被害を与えることもあります。

 

人間の皮膚片を食べるドクターフィッシュとして知られるガラ・ルファやシクリッドのように他の魚のウロコを食べる淡水魚もケラトファジーです。

 

いくつかのヘビの仲間は脱皮した自分の皮膚を食べることがあります。

虫を食べる

昆虫は地球でもっとも繁栄している生物の一つです。昆虫を食べることはその動物にとって獲物を見つけるチャンスが多いといえます。昆虫をおもな栄養源にしている動物をインセクティボアと呼びます。

 

昆虫を食べる行動は動物の世界全般にみられ、コイなどの魚類からカメレオンやカエルなどの爬虫類や両生類、アリクイやナマケグマのような哺乳類までいます。またハチやアリのように昆虫の仲間も昆虫を食べます。

 

地球上のあらゆる場所にいる昆虫はその環境に生きる動物たちにとって重要な栄養源となりその動物たちの繁栄の基礎になります。

アリを食べる動物

シロアリやアリをおもな栄養源にしている動物をマーメコファジーと呼びます。マーメコファジーに含まれる動物としてはアリクイやツチブタなどの哺乳類やツノトカゲなどの爬虫類があげられます。

 

アリクイは中南米の森の中に住んでいる哺乳類で細長い口と舌をもち、アリを舌に粘着させて食べます。アリクイは一日に3万匹ちかいアリを食べると言われています。

 

グンタイアリのようなアリの仲間もマーメコファジーに含まれていて、グンタイアリは隊列を作り哺乳類や爬虫類などを襲います。ヒメサスライアリはグンタイアリの仲間でアリを専門に食べる種として知られています。

栄養源は血液

生物の体の中を流れる血液には栄養素が多く含まれているのでそれを自分の栄養源にしている動物たちがいます。それらを吸血動物またはヘマトファジーと呼びます。

 

吸血動物にはダニやノミのように血液がおもな栄養源である動物とカのように産卵のときに血液を栄養源にするものがいます。

 

これらの動物は他の動物から血液を吸い出すために適した口の形と血液が血管から出たときに固まることを防ぐ物質をもっています。

 

吸血動物はしばしば細菌やウィルスを運んで感染症を広げる原因となることがあります

かたい殻でもバリバリ食べる

カニや貝類などのように自分の身を守るためにかたい骨格や殻をもつ動物たちがいます。

しかしある動物たちはそんなかたい殻など気にせずにまるごと食べてしまうものもいます。

かたい殻などを食べる動物やその行動をデュロファジーと呼びます。

 

アフリカに住む哺乳類のハイエナはほかの動物が食べないような骨まで食べてしまいます。

ジャイアントパンダレッサーパンダがかたい竹を食べる行動もデュロファジーでこれらの動物はかたいものを噛み砕くための丈夫な歯と顎を持っています。

 

かたい殻や骨は消化されにくいためデュロファジーを行う動物は丈夫な消化器官をもっているのもその特徴です。

鳥を食べる動物

動物が何を食べているかで分類する方法があります。食べているものがおもに鳥類である動物をアビボアといいます。

 

アビボアの中にはハヤブサなどの鳥類も含まれます。ハヤブサはスズメなどの小さな鳥類をおもに食べます。鳥を食べる鳥類はするどいツメやクチバシをもっています。また柔軟で丈夫な体格をしています。

 

アフリカなどに住む大型哺乳類であるカラカルもアビボアに含まれ、鳥を捕まえるために2メートル以上跳び上がります。