種で育つ

トウモロコシや小麦、ヒマワリの種など植物の種や穀物を好んで食べる動物をグラニボアと呼びます。穀物を食べる動物はカナリアやスズメのような小型の鳥類、ハムスターやリスなどの哺乳類がいます。

 

植物の種には成長するための栄養が蓄えられているため動物にとっては大切な栄養源です。しかし植物にとっては種を食べられてしまうことは大きな損失です。そこで植物は種を守るための仕組みを発達させてきました。

 

種をかたい殻やトゲで守ったり、種が成熟するまで種の栄養を少なくして食べ物としての魅力を低くしておくなどの方法で種が食べられることを防いでいます。

牧草を食べる動物

草食動物のなかでもウマのように牧草を好んで食べるものをグラミニボアと呼びます。グラミニボアの動物は草原に生えているようなイネ科の植物を食べて生活しています。

 

草食動物の多くは草を消化するための仕組みを備えています。ウマの消化管にはセルロースなどの物質を分解する微生物が住んでいて、その力を借りてウマは草から栄養を取り出しています。

 

カピバラは南米に住むネズミの仲間です。ネズミの仲間では一番大きく水辺の近くに生えている水草などを食べて生活しています。

メインはフルーツ

植物を食べる動物のうち特に果実を好んで食べる動物を果実食動物またはフルージボアと呼びます。果実を好む動物としてはヒトを含むオランウータンなどの霊長類やサイチョウやオウムのような鳥類などがいます。

 

果実をつくる植物にとってフルージボアとの関係は重要です。それらの動物が果実に含まれる種ごと食べることで種を遠くまで運んでくれる役割を果たします。それにより植物は自らの生息できる環境を広げることができます。

 

動物に食べられた種は動物の体のなかで消化されてしまう可能性があるので果実をつくる植物は消化されにくい種をもつようになったと考えられます。

葉っぱを食べる

植物を食べる動物のうち特に葉っぱの部分を好みそこから栄養をとっている動物を葉食動物またはファリボアと呼びます。

 

葉っぱを好んで食べる動物の多くはそれに適した長い消化器官をもっています。葉っぱは成長すると消化するのが難しいセルロースが多くなり栄養も乏しくなってくるので、それに適した消化管や葉っぱを噛む歯が必要になります。

 

葉っぱを好んで食べる動物は哺乳類から昆虫まで広く見られ哺乳類ではナマケモノやコアラ、クモザルなどが葉っぱを好みます。

 

昆虫は特に幼虫のときに葉っぱを好んで食べるものが多く、なかには特定の種類の葉っぱだけを食べるものもいます

ワームを食べる

毛虫やミミズのように体が細長い虫をワームと呼びます。おもな栄養源としてワームを食べる動物をバーマボアと呼びます。

 

ハリネズミはアフリカやヨーロッパに住む動物で森の中や砂漠などで生活していてミミズなどを食べています。ニュージーランドに住むムカシトカゲという動物は原始的な姿を残している爬虫類で夜に地面の上を動き回り毛虫などの昆虫を食べます。

                                     

鳥類はワームをよく食べる動物でヒナの時から大人の姿になってからもミミズや毛虫などを食べます。

スポンジがごちそう

海綿動物はスポンジとも呼ばれるおもに海に住んでいる多細胞の生物です。多細胞生物のなかでも原始的な姿を残している生物で岩場や海藻にくっついて生活しています。そんな海綿動物をたべる生物をスポンジボアと呼びます。

 

ウミガメの一種であるタイマイは熱帯の海に住んでいておもに海綿動物を食べるスポンジボアです。タテジマキンチャクダイは特徴的な縞模様をもつさかなで海藻などとともに海綿動物もよく食べます。

 

軟体動物であるウミウシの仲間も海綿動物を食べて生活しているものがいます。

魚食な動物

アシカやカワウソのようなおもにさかなを食べて生活している動物を魚食動物またはパイシボアと呼びます。さかなは魚類自身や哺乳類、爬虫類などさまざまな動物の獲物になります。

 

ビントロングやジェネットなどの哺乳類は果実などとともにさかなを食料にしています。

カマスなど比較的に大きなさかなはイワシのように小さなさかなを食料にしていることがあります。

 

地球のほとんどがまだ海だった頃の動物にとってさかなは貴重な栄養源だったと考えられます。動物の陸上への進出を考える上で魚食からほかの食性への移行は重要です。